アグリフードシステムとトレーサビリティ

 
漁業に関する文献はなかなか少ないなあと最近実感します。
 
そういうときには、類似の文献を探すのが良いということで農業、食品関係の文献を探してみたところ、こういう本を見つけました。
 

食品安全経済学―世界の食品リスク分析

食品安全経済学―世界の食品リスク分析

 
この本では欧州で行われている食品安全に関する研究を紹介しています。欧州ではBSE(狂牛病)の発生以来、食の安全に関する関心が高まっており、EUの農業政策も2001年以降食品安全政策の整備が行われているそうです。
 
まだしっかり読んでいるわけではないのですが、欧州では「農場から食卓まで」を担う農業生産者から食品加工業者、流通・小売業までの業者が連携するアグリフードチェーン開発の研究が盛んに行われています。
これは、高度化した消費者ニーズに対応できる安全、安心かつ質の高い食品の供給を行うためには、生産現場から小売までの全過程を管理していかないと困難だと考えられている事が原因となっています。
すでに有機農業の分野ではこのアグリフードチェーンにおける食品安全管理システムの開発が進んでおり、EU各国の政府も法的整備を進めている状況であるらしい。
 
そのアグリフードチェーンにおける食品安全管理の議論の中にトレーサビリティ(追跡可能性)というものがある。これは、アグリフードチェーンにおける食品の流通を過去履歴とこれからの流通先の二つの側面から追跡するものである。
トレーサビリティを高めることによるメリットは次の3つである。1)チェーンの透明性が増大する事によって消費者の信頼をいっそう得ることができる。2)責任の本当の所在が明確になり、間違った責任が回避できる。3)汚染が発生した際の回収の手間が少なくなる。
  
この本は農業について書かれているが、漁業や養殖業についても同じような議論が成立するだろう。ネットで調べてみると、業業に関するトレーサビリティについていくつかの論文を見つけることができました。
 
「魚類養殖の現状からトレーサビリティを考える」(http://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n0512re4.pdf)
水産物トレーサビリティの現状と課題」(http://www.nochuri.co.jp/report/pdf/r0409in1.pdf)
「「農場から食卓まで」の食品安全」(http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/refer/200402_637/063704.pdf)
 
なかなか面白い議論だと思います。
 
今日はこの辺で
 
今日の一枚
Pearl (Exp)

Pearl (Exp)

ジャニスジョプリンです。今日たまたまテレビで有森成美がジャニスジョプリンの「Move Over」が好きだって言ってたので選びました、意外だったもんで。
この曲はちょっと前に松浦亜弥がCMで歌ってたので聴いたら知っている人も多いと思うんですが、本家本元のジャニスの歌声で聞いて欲しいですよね。
このジャニスジョプリンは70年にドラッグのやりすぎでなくなったシンガーなのですが、その最後のアルバムがこれです。
5曲目のインストだけの曲は「生きながらブルースに葬られて」という曲なのですが、この曲の歌を収録する直前に彼女が死んだんですよね。
アルバムは完成度が高く、彼女がそのキャリアの絶頂で逝ってしまったんだなとわかるものになっています。
ただ、僕が一番好きな曲はボーナストラックの「Try」です。これは渡辺美里がライブでよくカバーしていましたが、ジャニスバージョンがやっぱいいですね。Try, Just a Little Be Harderって歌詞にもうやられます。
ソウル好きには是非聞いて欲しい一枚。すんげえ迫力ですよ。