メコン川流域の開発が与える影響

 
今日は、メコン川流域の開発が与える影響を3つのグループの立場から考えて見たい。
 
まず、メコン川流域に立地する後発国(ベトナムカンボジアラオスミャンマー)の立場から考えてみよう。
後発国であり、国内開発の資金を外国に依存するこれらの国にとっては、メコン川流域の交通網の整備および電力開発を資金や技術面で外国の協力を得ながら行うことは、経済発展の初期段階の整備としては必要である。
これは日本が電力や交通・鉄道網の整備が急速に進む中で、高度経済成長期を実現したことを考えれば想像に難くない。
 
また、工業化を考えるとき、部品調達や完成した工業品の輸出にとっては、アセアン域内の物流システムが整備されることは、タイや中国からの部品調達やこれらの国への完成品の輸出を考えると望ましいことも当然だろう。
 
このため、メコン川流域の開発は、輸出志向工業化を目論む後発国にとって望ましいものと考えられる。
 
しかし、メリットだけではない、リスクもある。
AFTAの進展と重なり、物流インフラの整備によって中国やタイなどの国々へのアクセスが改善されるということは、急速に国際化が進むということである。
タイや中国など工業化が進んでいる国との貿易の活発化は、後発国にとっては輸出拡大のチャンスではあるが、逆にタイや中国の製品との競争にさらされるということでもある。
となると、これら後発国の地場産業が国際競争の中で逆に縮小する可能性もあるのだ。
また、金融制度や為替制度も整っていない後発国にとって、自由化の進展はマクロ経済政策や為替政策運営に関するリスク拡大にもつながることが考えられる。
 
一方、アセアン先発国(タイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン)にとっては、メコン川流域の開発によって後発国の経済が成長することは、新たなビジネスチャンスを生み出す。
アセアン諸国は、中国やインドのような人口大国ではないため、国内市場の狭さが経済発展の妨げになっていた。そのために、輸出志向工業化戦略を採用していたわけだが、経済発展に伴う賃金上昇によって、欧米向けの輸出競争力がいつまでも維持できるとは考えられない。
このため、AFTAの進展とアセアン後発国の開発によるアセアン市場の拡大は、先発国の成長にとっても重要な鍵となる。
特に、小売や流通などのサービス業、食品加工業など先発国の民族企業にとっては後発国市場への進出は是が非でも望みたいところだろう。
また、タイはメコン流域の物流の中心に位置することから、これらの物流インフラの整備によって、中国、インドを含むアジアの交通ネットワークのハブの役割を果たす事になり、アジアの生産ネットワークの中心になれるという期待もあることを忘れてはならない。
 
最後に、日本や中国など周辺国の立場である。
メコン川流域の物流インフラ整備を通じて後発国の発展を援助することは、日本や中国にとっても新たな市場の開拓につながることは言うまでもない。
それに加え、中国にとっては華南地域の賃金が上昇する中で、後発国の低賃金を活用した分業を行うことは国際競争力の維持につながると考えられる。
また、日本にとってはアセアンにすでにたくさんの企業が進出しているため、これら製造業の生産ネットワークを効率的に結ぶためにも、メコン川流域の物流インフラ整備は必要なものとなっており、そのことは今年度の通商白書でも指摘されている。
 
このように、メコン川流域の開発は様々な国に、様々な影響を与える。このような要因について理解を深めることによって、これらの地域の開発がアセアンの発展にどのような役割を果たすのか、その際にどのようなことがリスク要因として考えられるのかを知る事につながると思います。

今日はこの辺で
 

オーヴァードーズ

オーヴァードーズ

 
ピチカートファイブです。渋谷系の大御所ですね。渋谷系といえば、僕の大学時代の流行ですね。
先日紹介したフリッパーズギターから始まって、そのメンバーである小山田君がプロデュースしてるってのを聞いて「ボサ・ノヴァ2001」を買ったのがきっかけです。
ボサ・ノヴァ2001」はキュートでおしゃれではあったんだけど、インパクトがもうちょっと欲しいなあなんて思ってたところに出たのが、この「オーヴァードーズ」です。
ボサ・ノヴァ2001」で感じたおしゃれさに加え、ラップあり、ハードなギターリフがあり、フリーソウルっぽいノリがありと、文句なしの仕上がりです。
「東京は夜の7時は」ヒットしたんだっけかな?僕が一番好きなのはラストの「陽のあたる大通り」です。
ちなみにタイトルの「オーヴァードーズ」は薬物の過剰摂取を意味してます。