中東諸国の為替政策(新たなバスケット制の提案)

VOXより

UAE & Other Gulf Countries Urged to Switch Currency Peg from the Dollar to a Basket That Includes Oil

現在中東諸国の多くはドルペッグ制(ドルに対する固定相場制度)を採用している。
原油価格の上昇による経常収支の拡大と、サブプライム危機に端を発したドルの下落によって、中東諸国では激しいインフレが起こっている。
そこで、為替制度をドルペッグから切り替えるべきかが中東諸国の中で議論を巻き起こしている。

為替制度をどのように変えるのかについてはいくつかある。

まず一つ目はドルペッグ制をやめて、主要国通貨の通貨バスケットに対する固定相場制を行うという手段がある。
これは、ドルの下落に伴う自国通貨の下落を防ぐためには良い手段だが、現在のように原油価格が高騰して経常収支が黒字になると固定相場維持のために金融緩和を行い経済を過熱させることになることや、原油価格が下落して経常収支が赤字になると金融引き締めを行わなければならないという問題の解決にはならない。

これに対し、変動相場制に移行すると、金融政策の制約は解消されるが、中東諸国のような小国が変動相場制を採用すると、国内物価の安定はさらに困難になってしまう。

そこで、このブログ記事が提案しているのが通貨バスケット制だが、バスケットの中に原油価格を入れるものである。
こうすることによって、原油価格が高騰しているときには自国通貨高になるように自然と調整されるために国内のインフレを防ぐことが可能となり、原油価格が下落する時には自国通貨安になるように調整されるために自国通貨建ての輸出価格の下落を防ぐことができるようになるらしい。

こういう輸出価格を含むバスケット制というものは聞いたことがなかったので、そういう方法があるのかと感心したが、実際にはそういうことは可能なのだろうか?????

今日はこの辺で