日本経済新聞社編 『イギリス経済再生の真実』

BeatlesやPaul Wellwerなど好きなミュージシャンにイギリス出身のアーティストが多いので、イギリスは今でも憧れの国の一つです。
というわけで、この本は発売された当初から読みたかった本です。

読んでみると、結構内容は薄いなあと思うところもあるのですが、近年のイギリスの発展ぶりについて簡単に知ろうと思うのであれば読んでみてもいいかなと思う本です。

安倍内閣のころに、安倍内閣が取り組む政策課題をブレア政権がこれまで取り組んできた政策課題と似ているとして、英国と日本を比較した週刊東洋経済2007年7月28日号の「日本と英国」という特集があったが、この本とこの記事を読めば、今後の日本の経済政策を考える上でためになると思います。

90年代以降のイギリス経済の繁栄の要因には金融ビッグバン以降の中央銀行の独立性確保、統一的な金融監督局(FSA)の創設、そして外資への金融市場への開放などの政策によるシティを中心とする金融・サービス業の発展が第一に挙げられます。これに加えて、製造業における外資の受け入れや、移民の受け入れを積極的に行った事により、高い経済成長をイギリスは実現することができました。
世界に通じる金融センターの育成と、外国資本、移民の積極的受け入れ、まさに日本が今必要としていることだと思います。

この本自体は、金融街であるシティの繁栄に多くのページが割かれているために、教育改革や医療改革そしてブレア政権以降積極的に取り組まれ始めた貧困対策などについてはあまり書かれていなかったのですが、これらの改革のベースにあるものが金融業の発達に伴う高い経済成長であることを考えると、成長戦略の大切さがわかります。

僕は93年にイギリスに旅行したことがあるのですが、シティの繁栄によりロンドンの様子もずいぶん変わったそうなので、また行ってみたくなって来ました。

今日はこの辺で