国際経済学とは???(2)

前回の続きです。

国際経済学には大きく分けて国際貿易論と国際金融論(国際マクロ経済学)の二つがあります。

前回、国際貿易論について説明したので、今回は国際金融論(国際マクロ経済学)です。

国際金融論(国際マクロ経済学)が扱うテーマには次のようなものがあります。

1)国際収支の見方と国際間の資金の流れ
 国際収支とは、経済取引に伴って国境を越えるの資金の流れを示した帳簿のようなものです。この国際収支の見方を知る事によって、その国がどのような経済構造になっているかについて多くを知ることができるようになります。例えば、日本は貿易収支を含む経常収支が黒字である一方、資本収支は赤字ですが、このことは、日本は貿易によって稼いだ資金を国外に投資していることを意味しているということが理解できます。

2)為替レートの決定や変動について
 国境を越える資金の移動に欠かせないものが為替レートです。外国の製品を買ったり、外国に製品を売ったりする時もそうですし、外国の金融資産に投資をしようとするときにも為替レートの水準や今後の変動について知らなければ大きく損をする事になります。では、その為替レートはどんな要因によって変動するのでしょうか、どんなことが起これば円高になり、どんなことが起これば円安へとなるのか、そのことについて考えていきます。

3)為替制度について
 国境を越えたすべての経済取引に為替レートの変動が与えることは先ほど述べましたが、そのために為替制度というものは国の経済政策において非常に大事なものとなってきます。為替制度には、大きく分けて、政府が介入して為替レートを固定させる固定為替相場制と、外国為替市場における需要と供給によって為替レートを決めようという変動為替相場制の二つがあります。それぞれの制度には有利な点もあれば欠点もあります。また、ユーロのような特定の地域における共通通貨の導入も地域限定の固定為替相場制の特殊な形と解釈できるので、共通通貨の利点や欠点の理解にもつながります。

4)国際マクロ経済政策
 財政政策や金融政策といったマクロ経済政策は、貿易や国際間の資金移動を通じて外国に影響を与えます。また、国が固定為替相場制を採用するのか変動為替相場制を採用するのかによってマクロ経済政策がその国にもたらす経済効果は変わってきます。このように、貿易や国際資金移動の存在を考えた際のマクロ経済政策が及ぼす影響について考えていきます。

5)通貨危機について
 不適切なマクロ経済政策や為替制度の選択がもたらす一番大きなリスクは、自国の通貨の価値が急落する通貨危機です。通貨危機が起こると、国内の価格は急上昇し、危機が正常化されるまで国内経済は混乱し低迷する事になります。このような通貨危機の発生要因について考えていきます。

とまあ、書けば書くほど、あまりにも勉強することが多くて嫌になってしまいそうですね。
僕の講義は国際貿易論が多いのですが、国際貿易論だけでも1年かかって講義しなければ全然時間が足りませんからね。
とは言え、知らなきゃならないことが多いということは、それだけ一国の経済を考える際に国際的視点が必要だということなんだと僕は思います。
広く薄くでいいので、多くの人に知ってほしいと思います。

今日はこの辺で