食糧安保のために、輸入関税撤廃へ

 

EU穀物関税ゼロ 時限措置 高騰受け食糧確保
 
欧州連合(EU)は来年六月末まで小麦やトウモロコシなどすべての穀物の輸入関税を一律にゼロにする。世界的に穀物の需要が拡大しているなかで輸入量を増やすねらい。穀物の生産調整も見直し、域内の農家に増産を求める。気候変動に伴う穀物不作やバイオ燃料の需要拡大をにらみ、日米などの主要先進国に先駆けて食糧安保への取り組みを強める。
 年内にも実施する。欧州委員会のフィッシャーボエル委員は関税をゼロにする事について、「(穀物流通量の)バランスを取る対応」と説明。あらかじめ期間を定めた関税撤廃で輸入量の増価を図る考えを示した。七月以降については食糧価格の動向を見て改めて検討する。
 EU穀物の輸入関税を国際市場価格を参考に決めている。価格が上がるとゼロに近づき、価格が下がると関税率が上がる。穀物高騰で小麦や大麦、ライ麦などの関税率はすでにゼロになっているが、欧州委は来年六月末までは国際価格にかかわらず関税率をゼロに抑える。現在はトン当たり約1.93ユーロ(約310円)のトウモロコシの関税もゼロにする。
 EUは域内の生産調整も見直す。耕地面積の10%で作付けを制限する減反政策を今年秋から来年春まで凍結。欧州委は収穫量が約1000万トン増えると見ている。
 EUの年間の穀物消費量は家畜用や加工用などを含めて焼く2億6700万トン。約24%にあたる6400万トン程度を米国やオーストラリアなどから輸入している。今年は小麦の産地である南欧が猛暑に見舞われたほか、輸入先の豪州などでも不作が見込まれている。EU穀物の安定確保を目指すのは、食糧価格の高騰が背景にある。欧州が輸入増に動くことで、穀物の争奪戦が消費国間で激化しそうだ。(日本経済新聞 11月11日付1面)

 
EUの食糧自給率は、日本に比べてはるかに高い、なぜならEU食糧安保のために農業を保護しているからだ。日本は食糧自給率が40%近くになってまって、このままでは世界的な食糧不足になったら危ない。だから農家を保護して自給率を向上させなければ。。。。
こういう論調が良くある論調だったと思うのですが、とんでもない。食糧安保を目指すためには、輸入関税を引き下げ、海外からいかに安く輸入するかが大事なわけです。
もちろん、記事にあるように国内生産の増加も測っていますが、世界的に食糧価格が高騰するなか、国内の消費者の財布を守るためには、関税撤廃は当然の策です。
 
ひるがえって、日本はどうでしょう。穀物価格の上昇によって、食品価格が上がっていくというニュースが流れていますが、日本の穀物に対する輸入関税を皆さんご存知ですか?小麦が252%、大麦は256%、米にいたっては778%ですよ。輸入関税を撤廃するだけで、小麦や大麦の価格は単純計算で4分の1近くに下がるわけですよ。政府は一体何をしているんでしょうか。
食品価格の上昇を防ぐためには、EUのように輸入関税を一時的でもいいから撤廃すればいいのです。そうすれば、国民の不満を抑えられるはずなんですけどね。
特に、日本はEU以上に食糧を輸入に依存しているわけですから、尚更です。
 
今日はこの辺で
 
今日の一枚

ロスト・レアリティーズ

ロスト・レアリティーズ

エル・アールです。もう活動停止してからだいぶ経ちますが、今でも聞いていますね。これも大学生のときに見つけたなあ。ちょうどミスチルスピッツなんかも出てきた頃で、どれもメロディやサウンドが素晴らしかったんだけど、僕はその3つの中ではこのL-Rが一番しっくりあいましたね。
なんでかいうと、L-Rが一番洋楽チックだったからかな。今回紹介するアルバムは、初めて買った彼らのアルバムなんですが、レイディオ・ショーのような曲のつなぎ方、アメリカンポップを思わせるサウンド、そして親しみやすいメロディ、ボーカルの黒沢健一の伸びるボーカルと、どれを取っても完璧ですね。難点はボーナストラックが余計だったって事くらいです。
特に、シングルにもなった「恋のタンブリング・ダウン」は今でも日本のベストポップソングの5本の指に入るんじゃないかと思うくらい大好きです。
また「君に虹が降りた」は曲もさることながら、切なくメランコリックな歌詞がまた素晴らしいし、「パッケージ」のおもちゃ箱をひっくり返したようなサウンドもグッドです。
そして、「A GO GO」や「I Love to Jam」のロックンロールも子気味よく決まっていて、言う事ありません。
月9のドラマの主題歌になって売れてから、ちょっと詰まんなくなりましたが、素晴らしいバンドだったと思います。