途上国同士のFTAをもっと増やすべきだ。

 
International Political Economy Zoneより
 
Supachai: South-South FTAs' Value
(http://ipezone.blogspot.com/2007/10/supachai-south-south-ftas-value.html)
 
国連貿易開発会議(UNCTAD)が毎年発行しているTrade and Development Reportの2007年度版(英語版ですが、ここからダウンロードできます)が発行されました。
今年度のテーマは"regional cooperation for development (開発のための地域協力)"です。
 
内容としては、発展途上国今後の経済発展のためには、途上国同士の協調が重要であるということが示されています。具体的には自由貿易地域(FTA)の締結、金融・通貨政策上の協調、物流・エネルギー・産業政策上の協調など多面的な協調が上げられています。
 
特に途上国同士のFTAに関しては、NAFTA(北米自由貿易協定アメリカ・カナダ・メキシコによるFTA)や日本と東南アジア諸国とのFTAといった、先進国と途上国のFTAよりも途上国同士のFTAの方が、途上国にとって望ましい点が多いと述べられています。
その理由について、紹介したBlog記事では以下のことが指摘されています。

  • 先進国と途上国のFTAでは、互恵主義の下、WTO(世界貿易機関)下の多角的貿易体制の中で途上国に保証されていた特恵関税(途上国に対する優遇的な関税の適用)が取止められている。
  • WTOの貿易交渉で、途上国が拒んでいる労働・環境基準、政府調達の透明性、投資政策、競争政策といった問題がますます先進国と途上国とのFTAの中に組み込まれている一方で、途上国が望む先進国の農産物市場の開放は一向に実現していない。さらに、通貨政策における協調は一切盛り込まれていない。
  • 発展のための国内政策の適用に制限が加えられる結果になっている。
  • 様々な国と、締結内容、締結期間の異なるFTAを多数締結するほど、途上国の国内政策(産業政策・発展戦略の実行)とFTAでの締結内容との調整が困難になっていく。

 
これに対して、発展段階が同様な途上国同士のFTAであれば、貿易自由化の利益や市場拡大による規模の経済による利益を得る一方で、自国産業の育成も可能だと考えられています。
 
さらには、通貨協力を行うことによって、途上国が最も怖れる通貨危機のリスクを避けることも可能であり、また物流やエネルギー、産業政策で協調する事によってお互いの発展を促進することができるとも述べられています。
 
アジアでも実際に東南アジア諸国がAFTA(ASEAN自由貿易地域)を結成したり、また中国やインドとASEANFTAなど数多くのFTAが締結されているし、南米ではMERCOSUR(南米南部共同市場)が締結されていたりと、様々な途上国同士のFTAが存在していますが、これらのFTAがこれら途上国の経済発展にどのように貢献するのかに関する具体的な研究が活発化されていくのでしょう(もうされているかもしれませんが)。
そのような研究を見つけたらまたここで紹介しようと思います。
 
今日はこの辺で
 

Chicken Zombies

Chicken Zombies

 
この間の学園祭で、ミッシェルガンエレファントのカバーバンドを見たので、今回はこれです。
僕はこのアルバムからミッシェルを聞き始めましたね。これももう10年前かあ。
ギターのカッティングがかっこいいっすよね。もちろん、チバユウスケのがらがらのボーカルも最高です。
この後のアルバムから音が重たくなっていくのですが、このアルバムではちょうどいいぐらいの軽快なテンポが気持ちいいです。
オープニングの「ロシアン・ハスキー」と「ハイ!チャイナ!」(吐いちゃいなとかけとるわけやね)から、もうかっこいいです。
シングルにもなった「ゲット・アップ・ルーシー 」ももちろんかっこいいです。
ジャンル的にはオーソドックなロックンロールだと思うのですが、やりきるところがいいですね。今でもお気に入りです。
しかし、このアルバムでも10年前なんやねえ、僕の中では新しい部類なのですが。。。