グローバリゼーションと格差の関係

 
International Political Economy Zoneより 
 
Globalization and Inequality Roundup
(http://ipezone.blogspot.com/2007/10/globalization-and-inequality-roundup.html)
 
今月IMF(国際通貨基金)が発行したWorld Economic Outlook(ここから日本語の要約を見ることができます) において、近年のグローバリゼーションが世界各国の国内の所得格差にどのような影響を及ぼしているかが分析されています。
 
いくつかの重要なポイントをまとめておきます。

 

  1. 過去20年間、サハラ以南のアフリカなど一部の地域を除いて、先進国、途上国を問わず世界中の国において国内格差は拡大している。(ここに世界各国のジニ係数の推移が示されています。) 
  2. その一方で、世界すべての国において、富裕層、貧困層を含むすべての所得階層の所得は増加している。(カリブ・ラテンアメリカ貧困層を除く)。(詳細はここで示されています) 
  3. 国内の所得格差拡大の最大要因は技術革新である。技術革新に伴い、知的熟練労働者に対する労働需要の高まりが、これらの労働に対する賃金の高騰を引き起こすために国内の未熟練労働者との所得格差が拡大する。  
  4. グローバリゼーションの進展が国内格差拡大に及ぼす影響は、技術革新のそれに比べて少ない。これは貿易の自由化が国内格差を縮小させる方向に働いているのに対して、国際資本移動の自由化が国内格差を拡大させる方向に働いているためである。 
  5. 先進国では、貿易自由化の影響より国際資本移動の自由化の影響の方が強いために、グローバリゼーションの進展が国内格差拡大の影響を及ぼすのに対し、途上国では貿易自由化の影響の方が大きいために、グローバリゼーションの進展が国内格差縮小の影響を及ぼしている。(3.〜5.に関する詳細はここで見ることができます)  

 
グローバリゼーションよりも知的熟練者に対する労働需要を高める技術革新のほうが国内格差拡大の要因として大きな影響を与えているという話は、これまでにも色々なところで聞いたことがあるので、それほど驚かなかったのですが、貿易自由化が国内格差を縮小する要因として働いており、資本移動の自由化はその反対であるというのは初耳だったので驚きました。
この結果をそのまま受け入れるのであれば、国内格差を縮小させるためには、貿易自由化をさらに推し進める一方で、国際資本移動の自由化は抑制して、後は国民に対する教育を充実させる事によって未熟練労働者を知的熟練化することを推し進めていくことが重要であるという事になります。
 
そういうものですかねえ。
 
今日はこの辺で
 
今日の一枚

KEISUKE KUWATA

KEISUKE KUWATA

 
今日帰宅途中に寄ったCD屋で見つけて「懐かしい〜〜」と買ってしまいました。そりゃ懐かしいよ、発表1988年だもん、19年前!
発売当初にCDレンタルしたもののカセットテープ(死語だ)に保存していたために、当然もう長い間聞いていませんでした。
久しぶりに聞いてみたらやっぱいいですね。これぞザ・ポップ・アルバムですよねえ。「いつかどこかで(I feel the echo)」や「悲しい気持ち」、「遠い街角」あたりがシングル発売されてましたよね。
そのほかの曲も、桑田節炸裂で、いいですねえ。桑田さんって、ほんと好きに音楽やってる感じでうらやましいです。