グローバリゼーション

 世界金融危機がアジア経済に及ぼす影響は

みずほリポート 2009年4月6日発行世界金融危機とアジア〜資本フロー・貿易の縮小を通じた影響と各国・地域の政策対応今回の世界金融危機がアジア経済に及ぼす影響について、113ページにも及ぶ精力的なレポートがまとめられていた。世界金融危機は国際資本移…

IMF強化へG20が合意

2009年3月31日付 日本経済新聞1面より 新興国支援 IMF、資金枠3倍に 日米欧と新興国など20カ国・地域(G20)は国際通貨基金(IMF)を活用した新興・途上国の支援策で合意する。4月1日夜(日本時間2日未明)ロンドンで開幕する首脳会合(金融サミット)で議論…

推薦図書 水野和夫『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』

人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか作者: 水野和夫出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2007/03/01メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 120回この商品を含むブログ (50件) を見る Amazonの商品説明より1990年代半ば以降、急速に進展したI…

NewsWeek4月1号より 「移民の逆流が始まった」

移民の逆流が始まった:先進国で働いていた移民が不況で続々帰国している。 今は地球上でもっとも豊かな国々にも職はなく、移民への風当たりは強まるばかり。これじゃ出稼ぎに行く意味がない。そう考える人が増えている。専門家によれば、南の途上国から北の…

 保護主義への洗脳は簡単??

EconlogよりFraming Anti-Foreign Bias2年以上前のブログ記事だが、内容は、人々に自由貿易に関する意識調査を行う時に、事前に自由貿易のメリットもしくはデメリットを説明されると結果はどのように変わるのかというものである。質問は次のようなものである…

 外国人労働者受け入れが自国民の賃金に与える影響

9月1日付日本経済新聞の経済教室で、阪大の大竹先生が外国人労働の受け入れが自国民の賃金に与える影響に関する最新の研究動向についてまとめていた。 以前このブログでも、同様な研究の動向を紹介したが、その延長に当たるものだと思う。*1。記事の中で大竹…

 90年代以降の貿易自由化は途上国の経済成長を高めたのか

Estevadeordal-Taylor(2008) IS THE WASHINGTON CONSENSUS DEAD? GROWTH, OPENNESS, AND THE GREAT LIBERALIZATION, 1970s-2000s NBER Working Paper 14264前回は途上国の資本市場の自由化が途上国の経済成長に与える影響についての研究について紹介したが、…

資本市場の開放は途上国の経済発展に役に立つのか

VOXより Capital account liberalisation: New thoughts on an old topic国際資本移動の自由化による外国資本の受け入れが途上国の経済発展に及ぼす影響については、賛成・反対様々な議論がある。本来資本市場の開放は、国内貯蓄の不足する途上国にとっては…

 グローバリゼーションと労働分配率の関係

「グローバル化、企業分布、労働分配率−Firm Heterogeneityを通じた企業間資源再配分メカニズム」篠崎公昭 日本銀行ワーキングペーパーシリーズ No.08-J-12最近の貿易モデルでは、産業内に属する企業の生産性格差を考慮した企業の異質性(Heterogeneity)モデ…

西島章次(編) 『グローバリゼーションの国際経済学』

グローバリゼーションの国際経済学 (新しい日本型経済パラダイム 第 3巻)作者: 西島章次出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2008/02/15メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見るこの本は神戸大学の2003年度から07年度までの21世紀COE…

 国内のグローバリゼーションと国際的なグローバリゼーション

国際経済学とは貿易によるモノの国際取引、資本移動に伴う資金の国際間移動、移民や出稼ぎ労働者による労働者の国際間移動。そして最近では多国籍企業に代表される企業活動(生産・販売・開発)の国際化などが自由に行われることによる経済的利益を説明すること…

前アイルランド大統領 メアリー・ロビンソン氏へのインタビュー

土曜日の日経に前アイルランド大統領のメアリー・ロビンソン氏のインタビューが載っていた。 アイルランドといえば、80年代前は欧州の最貧国だったが、90年代に入って急速に成長して今や一人当たりGDPは世界4位(日本は18位)となった国です。 その背景には積…

 選択的移民受け入れはどれだけ有効か?

VOXよりSelective immigration policy: will it work? (http://www.voxeu.org/index.php?q=node/931)移民の受け入れに関して、先進国は単純労働者の受け入れを制限しようとする一方で、ITや医療・教育などの分野の熟練労働者に関しては積極的に受け入れよう…

 週刊エコノミスト1月15日号 特集「外国人労働者受け入れと日本経済 労働開国」

少子高齢化が進む日本は、今後労働者不足が問題となってきます。 労働者不足を解決する方法は、次の3つが考えられます。1)高齢者や女性など今まで活用されてこなかった労働の活用、2)機械化(ロボットの活用)やイノベーションによる労働生産性の向上、そ…

 分析対象が産業・企業から個人へと

前回の記事で、経済産業省で行われたワークショップでRichard Baldwin教授の話を紹介しましたが、この話は非常に示唆の富んだ話だと思います。 もう一度繰り返すと、1980年代中頃までは、グローバリゼーションと言うと財の輸送コストの低下に伴う貿易の自由…

 グローバリゼーションの時代における国家の発展戦略

国際経済学とは、簡単に言ってしまえば、貿易や国際資本・労働移動など国境を越えたモノ・カネ・ヒト・そして技術や知識の流れについて、どのような政策を行えば、その国がより豊かな国となるのかについての学問である。 自由貿易や自由な国際資本・労働を認め…

貿易自由化と資本移動の自由化が国内の所得格差に与える影響

先日、IMFによるグローバリゼーションと国内の所得格差の関係に関する記事を書きましたが(グローバリゼーションと格差の関係)、その中で、貿易の自由化は国内の所得格差を縮小させるように作用するのに対し、資本移動の自由化は国内の所得格差を拡大させるよ…

 グローバリゼーションと格差の関係

International Political Economy Zoneより Globalization and Inequality Roundup (http://ipezone.blogspot.com/2007/10/globalization-and-inequality-roundup.html) 今月IMF(国際通貨基金)が発行したWorld Economic Outlook(ここから日本語の要約を見る…