色々本を読んでみました。

  
昨日まで5日間、中国の広州・杭州・上海と旅行してきました。中国の発展ぶりを直接見ることができて、とても有意義でした。
 
その旅行前と旅行中にいくつかの本に目を通しました。
 
まずは

 
この本は、メコン流域の後発国(カンボジアラオスミャンマー、ヴェトナム、頭文字を取ってCLMV諸国と総称される)の各国の経済の現状と課題がわかりやすく述べられています。
特に産業発展の問題だけでなく、財政や金融などのマクロ政策についても言及しているところが良いなと思います。
特にカンボジアの金融においてドル化が進んでいるなんて話は全然知りませんでした。
計画経済だったCLMV諸国が市場経済化する際には、財政・金融制度や人材育成など経済体制の改革を進めなくてはならないと指摘しているところに注目して読んで欲しいところです。
 
次に
メコン地域開発―残された東アジアのフロンティア (アジ研選書)

メコン地域開発―残された東アジアのフロンティア (アジ研選書)

 
この本は、ヴェトナムを除くCLM諸国を中心に、人材育成と産業発展の問題、そしてタイ、ヴェトナム、中国雲南省とこれらCLM諸国の関係を述べています。
この本の目ぼしい特徴は、CLM諸国とタイ・ヴェトナムの人口構成の違いに注目して、CLM諸国の豊富な若年労働者がメコンの回廊整備をきっかけに、これらの国から周辺国への労働移動を引き起こすのではないかと指摘しているところです。

最後に

ベトナムの工業化戦略―グローバル化時代の途上国産業支援

ベトナムの工業化戦略―グローバル化時代の途上国産業支援

 
この本は少し前の本なのですが、ベトナムに注目しながら、後発途上国がグローバル化の中でどのように工業を発展させるのかということを述べています。
特に第2章ではグローバリゼーションによって国際市場に統合されるベトナムについて、計画経済の名残が残っており市場経済システムが未発達であるために生じる問題や、外的変動に対するリスク管理の問題、工業化戦略のあり方について述べられています。
また、続く第3章では直接投資誘致を軸として工業化戦略のあり方についても解説されており、非常に参考になるのではないかと思います。
 
何度も書いていますが、メコン川流域の開発とは、これらCLMV諸国がグローバル化の進展を意味しており、そのため経済基盤が脆弱なこれら後発国のグローバル化が抱える問題点について考えることが、この地域の発展戦略を理解する事につながるはずだと思います。
 
今日はこの辺で
 
今日の一枚
ベスト・オブ・スウィング・アウト・シスタ-/あなたにいてほしい

ベスト・オブ・スウィング・アウト・シスタ-/あなたにいてほしい

 
スイング・アウト・シスターです。10年位前にドラマの主題歌になってヒットしたのですが、若い人は知らないでしょうね。
80年代後半から活躍するグループなのですが、これは10年ほど前に発売されたベスト盤です。
彼らの代表曲「Break Out」はいろんなところで取り上げられているので聞けば知っている人も多いと思います。僕も大好きな曲です。
デビュー時は3人組だったのですが、セカンドアルバムからボーカルのコリーンとキーボードのアンディの2人組みになりました。
とにかくアレンジがおしゃれです。それにコリーンのボーカルもうまいというわけじゃないんだけど、なんともいえない味があるんですよね。
僕のお気に入りは「Twilight World」や「Surrender」のようなブラスやストリングスをふんだんに使った初期の代表作や、パーフェクトなポップソングと思う「You On My Mind」、しっとりとした「Forever Blue」あたりかな。
「Am I the Same Girl」や「Not Gonna Change」あたりもなかなか良いですよ。
いずれにせよ日本人好みのサウンドだと思うので、興味のある方は是非聞いてみてください。