水産白書への疑問〜なんで輸出を増やさなあかんの?

 
これまで、世界的な魚需要の増加によって、魚が食べられなくなるかもという疑問から、色々書いてきました。
 
水産物は再生可能資源なので需要が高まったら漁獲量を増やせば良いというわけにはいかず、逆に乱獲を防いで水産資源の管理を厳しくしなくてはならないこと。
漁獲量を増やすことができなければ、養殖を増やすか、代用品を見つけてこなければいけないわけだが、それについても環境問題や不当表示など様々な問題があること。
 
というわけで、世界経済の発展に伴い水産物需要が急激に増加している中で水産物の供給量はそれつれて簡単に増加しないとなると、水産物の価格は上昇せざるを得ないわけです。
 
そんなわけで、世界の魚購入競争は過熱せざるを得ず、日本が外国に買い負けることもある中で、今後日本の食卓から魚が消えるのではという不安が広がっているわけです。
 
日本の食卓から魚を消さないために一番効果的な方法は、自給率を高めることです。水産白書(http://www.jfa.maff.go.jp/hakusyo/18do/18nenhakusyo.pdf)でも、今後10年で魚介類の自給率を65%(平成17年度は57%)に向上させることが目標とされています。
 
しかし、その一方で水産白書では、水産物の輸出促進を主張しています。ん?????
 
国際市場で魚を買い負けているから、自給率を上げなきゃといっているのに、輸出しちゃったら我々が食べる魚はどうなっちゃんでしょう。
 
もちろん農林水産省が輸出を促進させたがるのはわかる。世界的な魚需要の増加は、日本の漁業に取っては市場の拡大を意味しており、魚の国際価格の上昇に伴って輸出を強化する事によって日本の漁業の衰退を引き止め、漁村に活気をもたらすことはできるでしょう。
しかし、これは漁業関係者の利益を重視した政策であり、日本の漁業がより高い金を支払ってくれる外国にどんどん輸出していけば、結局は日本国内に販売される魚の量が減少することになってしまいます。
それに、日本の漁業が外国に高い価格で輸出を増やすようになると、結局国内価格も上昇する事になりますから、消費者にとってはあまり喜ばしくない結果になるような気がします。
 
まあ、自給率を高めるのではなく、国内漁業は輸出促進を進める事によって産業としての発展を進める一方で、国内消費に関しては安く購入できるルートを確保するというのであれば話はまだわかるんですが、安い輸入を確保するための施策については水産白書では触れられていなかったのが気になります。
 
内水産物を高く外国に売りつけて稼いだお金を使って、外国の魚を大量に買うことによって国内向けの魚を確保する事になれば、国内漁業と国内消費の両立は理論的に可能になりますけどね、う〜〜〜ん。。
 
ただ、自民党の農業政策でも輸出促進がうたわれてますからね、自民党の政策はつくづく生産者重視、消費者軽視やね。
 
今日はこの辺で
 
今日の一枚

Respeto(レスペート)限定盤

Respeto(レスペート)限定盤

 
懲りずにカバーアルバムです。これは日本のTinaというボーカリストによるカバーアルバムなのですが、まあ歌が滅茶苦茶うまいです。
選曲も僕好みの曲が多く、非の打ち所がないアルバムです。(唯一ラストのTo Feel The Fireのアレンジが気に食わん)。
「Just The Two of Us」「Billie Jean」「Long Train Runnin'」「Another One Bites The Dust」「Endless Love」なんかがお気に入りですね。
後、Tinaのカバーはデビューアルバムのラストに入っている「There Must Be An Angel」も最高です。
しかし、Tinaの名前最近聞かないなあ、がんばってるんやろか。。。