養殖・畜養と代用品について
前回、魚需要が増加して値段が高くなるほど、乱獲が発生するのを防ぐために漁業資源の管理を厳しくしなければならないと述べました。
魚需要が増えているのに、魚をたくさん取ることができないとなれば、養殖によって魚の量を増やすか、それとも他の魚で代替する事によって魚需要を満たすようにするしかないと思われます。
そのことについて、次の本を読んでみました。
- 作者: 井田徹治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/08/21
- メディア: 新書
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この本の第2章で養殖の話が、第3章で代用品の話が書かれていました。
内容を簡単に述べるとこういう感じです。
<養殖について>
- 漁獲量がここ数年頭打ちになっているのに対し、養殖漁業の生産量は90年代以降年率10%の伸びを見せている。
- 特に発展途上国においては、食糧や収入源として養殖漁業が非常に盛んになっている。
- 養殖には卵から成魚になるまで育てる「完全養殖」と、稚魚や若い魚を獲ってきて生け簀に入れて育てる「畜養」がある。
- 畜養の例として、マグロが取り上げられていたが、畜養マグロの増加がマグロの資源管理を困難にしている。畜養といっても、結局はマグロの青田買いであり、畜養マグロの増加によって若い魚が乱獲されていき、マグロ資源にとっては悪影響となっている。
- 養殖の増加は様々な環境問題を引き起こしている。本ではエビの例が紹介されているが、タイにおけるエビ養殖の増加が現地の土地を劣化させ、マングローブ林を破壊している様子は、うちの大学のタイエコスタディツアーでも取り上げていました。
代用品について
- 「銀ムツ」「ロコ貝」「トロカンパチ」など高級魚の代用品が数多く紹介されているが、その多くは高級魚自体とは何の関係もないものに高級魚を連想させる名前をつけたり、高級魚と偽って販売されている。
- 未利用の漁獲資源を代用品として扱うのは悪くないのだが、高級魚の代用品として不当に高い価格で販売されるようになってしまうと、結局乱獲につながってしまって資源の枯渇につながってしまう。
こう見ると養殖や代用品で増加する魚需要に対応するのもなかなか難しいものがありますね。
今日はこの辺で
今日の一枚
- アーティスト: 近藤房之助木村充揮
- 出版社/メーカー: ZAIN RECORDS(J)(M)
- 発売日: 2007/07/18
- メディア: CD
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カバーアルバムシリーズ第3弾です。元憂歌団の木村充揮と元B.B.クイーンズの近藤房之助が昭和の歌謡曲をカバーしています。
男くさ〜〜いブルースです。「酒と泪と男と女」「見上げてごらん夜の星を」なんかがメジャーなところですね。
お酒片手に聞きたいアルバムです。