年末からの経済議論の流れ
去年のリーマンショック以来、失業者の増加やGDPの急激な落ち込みなど、実体経済が急速に悪化し、その過程の中でいろんな人がいろんなことを発言して、いろんな問題が取り上げられています。
そこで、とりあえず、思いつくだけの議論のお題を並べておきます。
1.金融問題
・欧米諸国の金融破たんをどう処理するのか?アメリカでは銀行の国有化が議論の的に
・東欧諸国の金融危機でEUに亀裂が、自国の金融機関も相当な打撃を受けている中で、EUは東欧諸国など欧州の中堅国家をどのようにして助けるのか?
・韓国に通貨危機の懸念
・将来的な金融規制の在り方(レバレッジ規制やファンド規制など)
2.雇用問題
・急増する失業者に対するセーフティネットをどう整備するのか
・製造業への派遣労働者を規制するのか?
・雇用の受け皿となる産業(介護?農業?)をどのようにしてつくるのか?そして、労働者の移動をどのようにして促進するのか
・将来的な労働市場の形をどうするのか?(終身雇用を前提とした企業に労働者の生活を保障させるやり方か、労働の流動性を維持しつつ政府が失業保険や職業訓練を充実させるやり方をとるのか)
3.マクロ経済問題
・需給ギャップを財政支出によってどのようにして埋めるのか?(財政出動の是非とその手法(減税か公共投資か))
・低金利経済における金融緩和(中央銀行による社債やCPの買い取りなどに代表される非伝統的金融政策)の是非
・財源としての政府紙幣、無利子国債発行の是非
4.経済成長戦略
・グリーンニューディールの是非(環境で経済成長は実現できるのか?)
・世界的な経済不均衡(アメリカの過剰消費と新興工業国の過剰貯蓄)に支えられた世界経済成長モデルの転換
・少子高齢化・成熟社会である日本の新しい成長モデルの構築
5.国際貿易問題
・バイ・アメリカン条項に象徴される保護貿易の進展に対する懸念
・G20に代表される新たなる国際経済秩序の仕組みの構築(途上国の参加・IMFの強化など)
こういう問題に対して、メディアではタレントや政治家の発言があふれていますが、実際に経済学者がどのような発言をしていくのか、注目したいところです。