水産資源管理の重要性

eisakukun2007-08-22


農産物と水産物の重要な違いについては、前回も書きましたが、「漁業振興と水産資源管理」でもこのように述べられています。

ある水産関係の懇親会で、厳しい状況の続く農林水産業について「農業、林業水産業の大きな違いというのは何か」という質問を受けた。
それに対して私は「それはやはり資源管理ではないかと思う。農業や林業の場合には、規模拡大による大量生産によって生産性を向上させることが危機突破の一つの方法となりうる」、
「漁業の場合には資源を管理するという大きな制約の中でものごとを考えなければいけない」「従ってまた、漁業は最も協同組合精神がマッチする産業でもあるのではないか」と答えた。

 
すなわち、農業の場合は、それに対する需要が高まれば生産性を高めて大量生産する事によって対処することが可能だが、漁業の場合は、需要が増加して価格が高騰したからといって、漁業の効率性を高めて大量に魚を取ってしまうと、魚が絶滅してしまうので、そういうことはできないといっているわけです。
 
例えば、毛皮や角・牙に高値がついてしまったがために、大量に捕獲されて絶滅の危機に直面する動物がいるように、魚の価格が高騰したからといって魚を取りすぎると、とんでもない事になってしまうというわけですね。
 
だからこそ「資源を管理するという大きな制約の中で物事を考えなければいけない」わけです。
しかし、この管理がまた難しい。価格が高騰するとたとえ共同管理をしようとしても、金儲けのために密漁しようとするものが出てくるでしょう。
価格が高騰すればするほど、その傾向は強くなってきます。
 
特に漁業の場合は、土地の所有権が決まっている農業と違って、漁場の多くは公海であり、すべての国が共有しているわけです。
このため、自分達がとってもその魚が絶滅する直接の原因とはならないだろうと、各漁師が自分達の都合だけ考えて魚を取り捲る事によって最終的に漁業資源が枯渇するという、いわゆる「共有地の悲劇」ということが発生しやすい状況になっています。
これを防ぐためには、すべての国が共同して漁業資源が枯渇しないように管理していかなければいけないわけです。
 
最近のマグロやシラスの漁獲規制もこのような漁業の性質がその背景となっています。
 
このため、世界的な魚需要が高まって価格が上昇すればするほど、魚を取り過ぎないように管理を強化しなければいけなくなります。
では、このような現状に対してどうすればいいのか?
養殖を増やすのか、もしくは他の魚で代替することを考えていかなければならないのではないかと思われます。
 
具体的には。。。。どうなんですかね。
 
とまあ、今日はこの辺で

今日の一枚: 「Great Hits」T・Rex  
   ちょっと前に、DOCOMOのCMで20センチュリー・ボーイががんがんかかってましたよね。
   それがきっかけで最近の僕の流行の一つです。