G20金融サミットの首脳宣言で自由貿易体制の堅持を確認

貿易障壁 今後1年設置禁止 首脳宣言「保護主義を拒否」
 主要20ヶ国・地域(G20)が15日発表した首脳宣言は、今後一年間の新たな貿易障壁の設置禁止を盛り込むなど、自由貿易体制の堅持を確認した。・・・

 首脳宣言は世界経済が金融危機に見舞われる中で「保護主義を拒否し、内向きにならないことが決定的に重要」と強調。今後一年間、投資と貿易に新たな障壁を設けず、輸出制限も課さないことなどを申し合わせた。 
 
 具体策にまで踏み込んで、首脳レベルで自由貿易の堅持を確認するのは異例だ。金融危機の影響が世界経済の成長エンジンである新興国実体経済にも波及。先進・新興国双方にとって貿易促進による景気下支えが緊急課題になってきたことが背景にある。
 
 米政府のビッグスリー(米自動車大手三社)支援策を巡り、欧州連合(EU)がWTO提訴を検討するなど、自国の金融機関や企業の救済を優先する保護主義的な政策に傾く懸念も高まっている。1929年以降の大恐慌で、各国が貿易規制など保護主義に傾倒したことが世界恐慌と大戦を招いたという教訓をG20は共有したとみられる。・・・・
 
 日本経済新聞 2008年11月17日付 5面

今回の金融サミットについて評価は様々だが、世界の国々がこの世界的危機に対して協調する姿勢を見せることは重要なことだと思います。その中の一つが、この保護主義への拒否に対する合意ですね。このブログでも述べました(ここここ)が、自国の産業や雇用を護ろうとした保護貿易は、さらに状況を悪化させることだということにG20が同意したことは良いことだと思います。

ただ、実体経済への悪影響が出てくるのがこれからですから、本当にこの合意を維持できるのかどうかは不透明ですけどね。注意深く観察する必要があるでしょう。

今日はこの辺で