今日の一枚 佐野元春「Heart Beat」

Heart Beat

Heart Beat

佐野元春のセカンドアルバム。1981年発売だから27年前ですね。
本人が、10代のためのポップアルバムを作りたいといって作ったアルバムであり、オープニングの「ガラスのジェネレーション」から子気味のいいポップサウンドが繰り広げられている。ジャケットから想像できる様な都会で生きる若者の姿を描いた歌詞が印象的で大好きなアルバムです。

まずは、オープニングの「ガラスのジェネレーション」。イントロからもうポップ全開です。

そして、2曲目の「Night Life」。ニューヨークに住む少年・少女の夜遊びの歌ですね。外国ドラマの雰囲気が歌詞とアレンジから醸し出されていて好きな曲です。

アップテンポの曲では「悲しきRADIO」も大好き。悲しきって言葉がついてるけど全然悲しくないです。昔は洋楽の曲に邦題をつけるときに、歌詞の内容に関係なくとりあえず「悲しき」ってつけとけって時代があったそうです。それが理由でこの題になったかどうかは知りませんが。

ミディアムテンポの曲では「バルセロナの夜」が素敵ですね。オルガンの音色とサックスが絶妙です。この歌でバルセロナって都市のことを知りました。
歌詞の最後に付く「愛してる気持ちはいつも変わらない」ってところがいいんですよね。

バラードでは、「彼女」ですね。イントロのピアノからもうクラシックって感じで、ほんと佐野さんすごいです。歌詞も別れてしまった彼女に対する気持ちを抑えた感じで切々と述べていくところがしびれます。

そして、アルバムの最後を飾る「Heart Beat」。夜中から明け方の街並の風景を交えながら、カサノバと彼女の微妙な気持ちを淡々と述べている歌詞が、一大文学作品のようで、とりこになっていまいます。

歌詞を書き出しておきます。こんな大作書ける様なミュージシャンなかなかいないですよね。

ハートビート(小さなカサノバと街のナイチンゲールのバラッド)

ひとりぼっちのテラスで
月の光 吸いこみながら
あの素敵なスターダストのメロディー
唄う街のナイチンゲール

雨あがりの世界を
そっと抱きしめたまま
どこかとおくからの街のざわめきに
心ひかれはじめてる

数えきれないくらいの
君のボーイフレンド
海岸沿いのポーチにすわって
夏の終りを夢みてる

すぐそばにはシボレーの
ピックアップ・トラック
そして かすかに聞こえてくる
トワイライト・ミュージック

夢からさめた天使みたいに
テラスを飛びこえる君
すると、「こっち、こっち」と
車の中の小さなカサノバ

昼間の光から ようやく
逃げ出して来たのに
今夜は 心なしか
少しだけシリアス

歯車みたいな世界に
さよならすれば
ヒップな稲妻に
心うちふるわせて

何もかもインチキに見えちゃ
さびしいぜ Baby
せめて この二人の恋心
リアルに揺れていたい

Tonight その瞳閉じて Feel me baby
Tonight 窓辺にもたれて Kiss me baby
Tonight そこにすわって Listen me baby

Can you hear my heart Beat ?
Can you hear my heart Beat ?

誰もいない街路に
朝の光こぼれて
「でも、まだ4時半だぜ」と
小さなカサノバ

ゆるやかに続く
このハイウェーの果てで
ビブラートする朝日も今は
彼女の吐息の中

小さなカサノバ
ひとりで そっと起きあがって
彼女の夢を いつまでも
ながめていたあと

訳もなく にじんでくる
涙をぬぐい
車のエンジン・キーに ゆっくり
手をのばしたのさ

Tonight 振り向かないで Believe me baby
Tonight くぐり抜けたら Touch me baby
Tonight いつも そのまま Love me baby

Can you hear my heart Beat ?
Can you hear my heart Beat ?