日本の経常収支、資本収支はともに赤字に

経常収支、13年ぶり赤字=過去最大1728億円、輸出減響く−1月 (Yahoo Newsより)

財務省が9日発表した1月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引状況を示す経常収支は1728億円の赤字となった。経常赤字は貿易収支が悪化した1996年1月(256億円の赤字)以来13年ぶりで、赤字幅は比較可能な1985年1月以降、最大に膨らんだ。
 世界経済の急激な悪化で輸出が大きく落ち込み、貿易収支が3カ月連続の赤字。また、金利低下に伴い、海外からの債券利子の受取額も減少し、所得収支の黒字幅が大きく縮小したのが主因だ。輸出不振に加えて投資収益の減少も鮮明になった。ただ、1月は日本で正月休みがあり、例年輸出が減少傾向となるため、2月の経常収支は改善する可能性もある。(時事通信) 

経済理論的には経常収支+資本収支=0ということで、経常収支が赤字の時は資本収支は黒字となります。

日本は、通常経常収支黒字ですが、これは貿易や対外資産からの収入という形で海外から日本へと資金が流入していることを意味しています。

その反対に資本収支は赤字であり、これは日本人による外国の金融資産の購入が、外国人の日本の金融資産の購入を上回っているために、金融資産の取引から見ると日本から外国へと資金が流出していることを意味しています。

このことから、経常収支黒字、資本収支赤字とは貿易や対外資産からの収入で得た外貨で外国の資産を購入しているということを意味しているわけです。

反対に、経常収支が赤字の時は資本収支は黒字となることが普通です。アメリカは巨額の経常収支赤字を抱える一方で、巨額の資本収支黒字も抱えています。つまり、外国からの投資として流入してきたお金で、モノを外国から輸入しているというわけです。

今回、日本の経常収支が赤字になったということは、理論的には資本収支は黒字にならないといけません。

しかし、財務省発表の国際収支を見ると経常収支が1,728億円の赤字となっている一方で、資本収支は2兆1,077億円の赤字となっています。つまり、経常収支も資本収支もともに赤字となっているのです。

理論的には、おかしいのですが、その分は誤差脱漏(統計上の不一致および原因不明の資金の動き)が2兆4,598億円の黒字となって調整されています。

ということは、貿易の面でも金融資産の取引の面でも日本からお金が流出しているということになります。となると、当分円安が進むだろうと予測されますね。いや、そうならなかったらおかしいでしょう。実際現時点で円安が進んでいますが、この流れが当分続くことになるんでしょうね。

今日はこの辺で